イギリスを象徴するブリティッシュブランドTed Bakerは、世界35ヶ国に展開する数百の店舗で、メンズ・レディース・アクセサリーとライセンス商品を販売しています。
近年、大規模なデジタルトランスフォーメーションをスタートして、2012年に新しいERPシステムを、2015年にCentric SoftwareのPLMを導入しました。
難易度の高い大規模なトランスフォーメーションを進める中で当社が学んだ教訓を、ご紹介したいと思います。
事前計画
まずPLMプロジェクトを始める前に、PLMに何を求めるのかを明確にしておきましょう。当社では、財務に関わることはすべてERPで、商品開発関連のことはPLMで管理すると決め、最終的にはこの2つを統合して、システム間でデータを共有できるようにする予定にしていました。
次に、既存プロセスを詳細レベルで理解しましょう。当社ではPLMベンダーを検討する前に、各プロセスで必要なアウトプットと、業務をよりスムーズに進める方法を検討しました。PLMで何を実現したいのかを明確にしたことで、どのPLMにするかを検討する際に役立ちました。現状を理解してゴールを明確にすることが、非常に重要です。
Centricは、ファッションに特化したPLMで、ファッション業界に関する知識も豊富なプロフェッショナルですが、予期せぬことは常に起こり得ます。スケジュールを立てる際は、導入前だけでなく、パッチを当てたりアップグレードするタイミングでも、余裕をもったテスト期間を確保することをお薦めします。
社員を巻き込む
導入するPLMが、利用するスタッフ全員にとって役立つものになるように、各部門が意見を言える環境を整えましょう。当社ではデザイナー部門・生産部門・購買部門・技術部門などPLMを使う各部門から代表者を選出して、PLMプロジェクトに参加してもらいました。
Centric PLMの導入を決定して導入作業を開始した後、プロジェクトメンバー以外にも各部門でスーパーユーザーを設定しました。スーパーユーザーには、追加トレーニングを受けてもらい、自分の部門のことだけでなく、他の部門とシステム上でどのように連携しているのかを理解してもらいました。
IT面でも充実したサポートが必要です。ビジネスプロセスを正しく理解していて、PLMが現場のニーズを満たすことの重要性を認識しているIT担当者をアサインし、この人に聞けばいい!という状況にしておくことも大事です。
変更管理は簡単なことではありませんが、みんなを巻き込むことが重要です。マネージャも巻き込んで、デモを見てもらい、システムで何ができるのかを理解してもらいましょう。PLMを導入する際は、働き方や考え方を変えることも求められます。業務をより効率化するために、責任者を他部門に変更することも検討してみてください。
担当者のアサインとハードウェア
PLMプロジェクトを進める間、そして導入が完了した後も、すべての部門の人がプロジェクトに関わっている状態にしておきましょう。担当者がプロジェクトから外れる場合は、必ず別の担当者を選任してもらいます。
また、スタッフが使うパソコンが、必要なスペックを満たしているかも重要なポイントです。Ted Bakerでは、テストの際はハイスペックなノートパソコンを使って、CentricとAdobe Illustratorの連携をチェックし、その時は完璧に動作していましたが、いざ現場で使ってみると、スタッフが使っているパソコンはスペックが低いことがわかりました。使っているパソコンがPLMの必要要件を満たしていことで、新システムの印象が悪くなってしまうリスクがあります。
ニーズを満たすPLMに
導入する間も、PLMで実現したいことにフォーカスして進めましょう。そうすることで、PLMで見える化したり効率化したりして改善していくことを、楽しめるようになります。私は20年以上Ted Bakerで働いてきたので、紙とペンを使っていた時代から、初期のコンピューター導入、そして今のデジタルな環境に至るまで、一連の進化を体験してきました。現在では、すべての商品をPLMで管理しているので、PLMがない状況を想像することすらできません。
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